SRIのための社会性評価/コミュニティ投融資の開発

「企業の社会性調査」概要

パブリックリソースセンターの特徴

2000年1月に設立された非営利・中立の調査研究機関です。 協働による「パブリックリソース」開発を通じ、NPOの発展と非営利セクター強化を図り、新たな市民社会の仕組みづくりをめざす、民間非営利の実践型シンクタンクです。

パブリックリソースセンターの事業分野

企業、行政との協働による新たな社会システム構築を目指し、3つの分野で事業を展開しています。
1.寄付文化創造/ファンドレイズ支援
2.SRIのための企業の社会性評価/コミュニティ投融資の開発
3.ミッション・ベースト・マネジメントの実現/CSR推進

非営利組織(NPO)の企業評価機関としての意義

SRIに取り組む4つの目標

  • 企業が、社会的責任を果たし、社会創造に取り組むグッドカンパニーとなることを、投資行動を通じて促進・応援
  • 市民が、投資を通して企業の社会性を促進することで、社会創造に参画する機会を開発
  • SRIを通じて金融関連企業自身の社会性向上を促進
  • NPOやコミュニティビジネスのような社会的事業体に対する資金循環(コミュニティインベストメント)の開発
企業と社会とのコミュニケーションを促進する仲介者

ステイクホルダーと企業

ステイクホルダーと企業
企業の社会責任とは、経営活動のプロセスに社会的公正性や環境への配慮を組み込んでいくこと

想定する企業像:社会と共生する企業

想定する企業像:社会と共生する企業

「企業の社会性に関する調査」基本コンセプト ー2つの側面と3つの領域ー

企業が併せ持つ2つの側面を調査・評価する
  • 企業活動に社会的公正性や環境への配慮などを組み込み、様々なステイクホルダーに対するアカウンタビリティを果たしていく「責任」の側面
  • 現代社会が抱える様々な課題に対して事業活動として取り組み、社会および企業自身にも新たな価値を生み出していく「創造性」の側面

企業のCSR活動の3つの領域を調査・評価する

  • CSRマネジメントシステムの構築
    CSRに関するビジョンや具体的目標の設定、担当組織の設置、PDCAサイクルの形成など、企業がCSRを推進するための体制や仕組みの構築
  • 本業における社会的事業の展開
    事業分野の強みを活かしつつ、環境や弱者への配慮を組み込んだ事業や社会的ニーズの高い事業を、ビジネスとして成立させること
  • 社会貢献
    寄付や社員のボランティア活動促進、地域コミュニティへの協力などを通して社会に貢献すること

評価方針

  • 多様なステイクホルダーに対する取り組みを対象とする<付表1(PDF)>
  • 新たな価値創造につながる取り組みと社会とのコミュニケーションを重視する
  • 取り組みの「評価→改善」の努力を重視する
  • ネガティブスクリーニングは行わない
  • 企業の独自性と方向性、改善成果などの追跡評価を行う
日本発の企業評価方式

評価手法:分野別評価

企業ごとに以下の5分野の評価視点(各分野調査票参照)に基づく絶対評価レーティング
  • ガバナンス/アカウンタビリティ
  • マーケット
  • 雇用
  • 社会貢献
  • 環境

評価手法:総合評価

以下の基準による総合レーティング
基本方針
 ◆5分野総合評価 ◆5分野同ウェイト
基準
  • 総合A:Aが3分野以上(但し、Cが2分野以上ないことあるいはDがないこと)
  • 総合B:Aが2分野、またはAが1分野かつBが2分野以上、またはBが3分野以上(但し、Dがないこと)
  • 総合C:Aが1分野以下かつBが1分野以下、またはBが2分野以上、またはCが3分野以上(但し、Dが2分野以上ないこと)
  • 総合D:上記以外

調査・評価のアウトプット

  • 企業ごとに総合、分野別および各分野評価項目別の3種類レーティング
    (各A, B, C, D区分;年1回改定)
  • 取り組みの評価を記述した企業プロファイル

調査・評価のプロセス

調査・評価のプロセス

調査の方法:進化する調査方法

全体構造:4年1サイクル
◆1年目- 広範囲調査年
◆ 2年~3年目- “深堀り”調査年
◆ 4年目- 広範囲調査年
調査クオリティの向上
◆パブリックコメント
◆監修者意見
調査の方法:進化する調査方法

調査の方法

1年目:広範囲調査年
  • 全上場・公開企業を対象として、アンケート調査を実施
  • 対象企業のホームページ、年次報告書、環境報告書、社会活動報告書など一般公開情報の収集および分析
  • NPO/NGO、消費者団体などの各種ステイクホルダー情報により補完調査
2~3年目:“深堀り”調査年
  • 前回アンケート回答企業を中心にアンケート調査実施
  • 企業プロファイルの更新
  • 一般公開情報、ステイクホルダー情報、メディア情報などによる常時監視の実施
4年目:広範囲調査年
  • 過去4年間のトレンドを踏まえた全企業調査

常時監視と除外

常時監視の中で社会的に重大な影響を及ぼす不祥事などが発生した場合、一定の手順を経て<付表2(PDF)> 、定期評価時(レーティング改定時)に限定せず、組入対象候補企業群から除外する

調査の企画・実施・評価体制

監修:谷本寛治(一橋大学大学院教授)
委員:有田芳子(主婦連合会環境部)
    伊藤寿子(社団法人環境情報科学センター)
    海野みづえ(株式会社創コンサルティング)
    鷹野秀征(アースセクター株式会社)
    角田季美枝(バルディーズ研究会)
SRIプロジェクト総括:
    久住剛(パブリックリソースセンター代表理事)
    岸本幸子(同理事兼事務局長)
    由良聡(同シニア・フェロー)
    杉田教夫(同プログラム・オフィサー)

「企業の社会性に関する調査」の公正性・中立性の確保について

パブリックリソースセンターでは、「企業の社会性に関する調査」の実施に当たり、各分野の専門的な知識と経験を結集し、かつ中立・公正を確保するため、次の信頼確保方策を講じております。
第1に、各分野に精通した有識者による「企画委員会」(委員長:谷本寛治一橋大学大学院教授)を設け、調査・評価基準の設計及び評価結果の確定に当たっては、客観的な監修を受けております。
第2に、公正を担保するため評価を担当する評価者については、評価対象企業と「利害関係」(注)がないことを必ず確認したうえで、評価担当企業を決定し、評価を実施しております。
第3に、個別企業の評価に関して、分野別責任者及び総括責任者等による合議により決定し、評価の公平性を確保しております。
このほか毎年、調査及び評価の実施後には、調査対象企業の皆様並びにユーザーの皆様からのご意見を踏まえ、調査及び評価の改善を図ってきております。
皆様からのさらなる信頼を得られるよう、引き続き努力を重ねてまいりますので、よろしくご理解を賜りますようお願い申し上げます。
<注>
「利害関係」の有無は次の諸点を確認して判断しております。
○ 本人および親族(配偶者、1親等以内の親族(両親、子)および同居の兄弟姉妹)が評価対象企業(連結子会社を含む)に雇用されている、または過去1年以内に雇用されていた。
○ 評価対象企業の役員・顧問に就任している、または過去1年以内に就任していた。
○ 評価対象企業から業務の委託を受けている。
○ 評価対象企業のコンサルタント等を務めている。
○ その他、評価対象企業と強い関係があると認められる場合。(ただし、少数の株式を保有している、日常生活の範囲で商品・サービスを購入しているなどは含まない。)
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